トレーダーであれば、誰もが一度は「常勝トレーダー」に憧れることでしょう。
どんなマーケットが来ようとも華麗に立ち回って連戦連勝、そんなトレーダーが存在するとしたら、その彼はまさに「ヒーロー」です。誰もがヒーローに憧れ、ヒーローになることを夢見ます。
しかし、結論から言えば、トレードの世界にそんなヒーローは存在しません。
そもそも、漫画や映画の世界ならいざ知らず、現実はスポーツの世界においても常勝=勝率100%の選手は存在しません。
例えばプロ野球の世界でヒーローと呼ぶにふさわしいバッターがいたとしても、彼の打率はせいぜい4割というところでしょう。つまり、半分も打っていないわけです。
でも、4割バッターなんて、野球をよく知っている方であればとんでもなく素晴らしい成績だということがわかるでしょう。
トレードの世界も、実は似たようなものです。
プロトレーダーと呼ばれる人たちの勝率をご存知ですか?
優れたプロでもだいたい6割ぐらいだと言われています。野球のバッターの打率よりは高いかもしれませんが、それでも4割は負けているのです。
そして、それが当たり前のことなのです。
プロでも負けるのがトレードの世界です
ですから、トレードで常に勝つという発想は捨ててください。
もし常勝にこだわってしまうと非常に危険です。どんなことをしてでも勝とうとしてしまうので、負けそうになったらナンピンでもなんでもしてしまい、結果的にとんでもない損失を招いてしまうからです。
トレードで利益を出すためには常勝することを考えるよりも、1回1回のトレードの損失をいかに小さく抑えるかを考えること、つまり大損しないことが重要です。
大きな損失を避け、常に損失を小さく抑えながらチャンスを待ち、チャンスが来たときにしっかり稼ぐ。
これがトレーダーの理想的な姿なのです。