先週のニュース
インフレと金利の上昇がボラティリティの上昇を招き、マーケットの変動が大きい一週間となりました。日銀が無制限の国債購入によりゼロ金利政策を守ると宣言したため、USDJPYは20年ぶりとなる高値を記録しました。日銀は円安を懸念しているものの、海外の中央銀行と政策が異なるため、円安を止められるほどの力はほとんどありません。
金曜日の米国株式市場は、金利上昇とインフレを懸念した投資家の株式売りが続き、マーケットが大きく下落した一日となりました。過去2年間の株価上昇を考慮すると、更に損失が拡大する可能性もあります。
コモディティは比較的静かな週となったものの、GOLDは金利上昇の影響により下落しました。WTIはウクライナ戦争の継続により依然として100ドル前後で推移しています。EURUSDとGBPUSDは重要なサポートを割り込み、共に大きく下落しました。
今週のトピック
日本では連休が続きますが、海外マーケットでは今週、大きなニュースが多く予定されています。その中で今週最大のイベントは、木曜日未明に発表されるFOMCです。政策金利は0.50%~1.0%引き上げられると予想されています。マーケットは次の利上げの規模を知る手がかりを探すことになりそうです。
また、木曜日にはイングランド銀行が0.25%の利上げを行う可能性があります。イングランド銀行は最近の経済状況を懸念しているため、利上げと合わせて行われる総裁の発言には注目です。これをきっかけに大きなボラティリティを引き起こす可能性があり、GBPUSDのチャートにはサポートが少なく、弱気な発言があれば大きく下落する可能性があります。
そして今週を締めくくるのは、米国の雇用統計です。いつものように、雇用統計は高いボラティリティを生み出すため、基本的には発表直後のトレードは避けた方が安全です。経済指標発表トレードの戦略としては、最初の1~2分間に大きく動いた動きに逆らうか、マーケットがトレンドを形成するのを待ってからトレンドトレードを行うか、のどちらかが最善です。
チャート分析
USDJPY
レジスタンス:131.25, 135.00
サポート:129.50, 128.50, 127.50, 126.00, 125.75, 125.25
ファンダメンタル、テクニカルともに上昇トレンドは非常に強く、中期的にも継続する可能性が高い状態です。短期的には130前後の取引が多くなるため、今週は横ばいのトレードアクションが予想されます。
GBPJPY
レジスタンス:164.00, 168.00, 170.00, 175.00
サポート:160.50, 159.50, 157.00
英国経済の弱さがGBPJPYに打撃を与え、下落トレンドが始まりました。現時点では売りのチャンスを探すことが最善です。
EURUSD
レジスタンス:1.0600, 1.0650, 1.0700, 1.0750, 1.0800
サポート: 1.0500, 1.0475, 1.0400, 1.0325
欧州経済が弱く、金利が上昇する可能性が非常に低いため、今週は大きく下落します。米国の金利がさらに上昇することを考えると、現時点ではEURUSDの下値を探すのが最善と思われます。
EURJPY
レジスタンス:138.00, 140.00, 145.00
サポート: 134.75, 134.50, 133.00
EURJPYは横ばいの値動きで、これは短期的ではあるものの継続しそうです。円安はユーロ安によって相殺されており、現時点では強いトレンドが発生するとは考えにくい状態です。
GOLD
レジスタンス:1913, 1950, 1980, 2000, 2069
サポート:1875, 1850, 1825
GOLDは米国の金利上昇と相反関係にあるため、ロングポジションを手仕舞う人が増えています。ウクライナ戦争が悪化した場合、過去数週間、GOLDマーケットが静かであったため、急上昇する可能性があります。
WTI
レジスタンス:109.00, 115.75, 125.00
サポート:100.00, 99.50, 98.00, 93.50, 92.30, 90.00, 85.00
WTIは100ドル前後で推移しており、方向感に欠ける展開が続いています。短期的なボラティリティはまだ高く、5分足チャートを使い、短期的なボラティリティを狙ったトレードするのが最善です。
DOW
レジスタンス:34000, 35500, 35850, 36000
サポート:32200, 32000, 31000
投資家の金利に対する懸念が強まるにつれ、下降トレンドが強くなっています。今年の安値というサポートがあるものの、今月中に破られる可能性が高そうです。
NIKKEI 225
レジスタンス:27500, 27750, 28000, 28700, 29000, 30000
サポート:26250, 26000, 25000
円安がセンチメントに寄与していますが、米国株式市場の下落が売りを誘っているため、マーケットは横ばいで推移しています。今のところ、横ばいから下降のシナリオが最も高い可能性と思われます。