機関投資家は個人投資家と違い大きな資金を運用するので、そのトレードがマーケットを動かします。個人投資家の使う一般的なテクニカル分析とは異なるロジックでトレードしてマーケットを動かすので、機関投資家の大口トレードによるマーケットの動きを騙しと呼びます。
一般的なテクニカル分析の手法では、レンジ相場ではサポートで買いレジスタンスで売ります。 トレンド相場ではサポートを下に抜けたら売り、レジスタンスを上に抜けたら買います。 しかし、この一般的なテクニカル分析を用いてトレードすると騙しに会ってトレードが失敗に終わることが多々あります。
以下は、プロのトレーダーがトレードのセットアップ時に使う騙しに気をつける為の確認ポイントです。
確認ポイント1:レジスタンスで価格は押し戻されるか
移動平均線のチャートが上昇トレンドの時は最初の利食い目標の目安は直近の高値にし、損切りは直近の安値を目安にして移動平均線にタッチする付近でエントリー(新規買い)します。 マーケットがレジスタンスを勢いよくブレイクしたら利食いせずに目標を上げます。もし勢いが弱いと判断したら、その時点で直ちに決済します。
上昇トレンドが騙しによるものかマーケット全体で動いているのかを確認します。大口トレーダーは節目の価格が突破されるか、それとも押し戻されるのかを常にチェックしています。節目を一気に抜ければトレンドが発生したと考えて他の大口トレーダーも勢いに加わり一気に価格を押し上げます。勢いがなければ、その後は上昇と下降のせめぎ合いになります。
確認ポイント2:ブレイクは一過性の騙しかそれともトレンドか
レジスタンスを上抜けた後、再びレジスタンスに戻ったところで再び反転して上昇するのを確認して買いポジションを建てます。
マーケットがレジスタンスを上抜けて急上昇すると売りポジションを持っているトレーダーは上昇トレンドが続いて含み損が大きくなるのを恐れて手仕舞することを考えます。上昇トレンドから下降に転じて前のレジスタンス辺りに戻ったポイントが手仕舞の目安になります。売りポジションの決済は買いポジションの勢力に上乗せの買いの勢いとなるので一気に下降から上昇に反転します。この時点で前のレジスタンスは新たなサポートに変化します。
確認ポイント3:レジスタンスは突破できるか
確認ポイント4:直近の安値のブレイクは一過性の騙しか
マーケットが移動平均線から大きく乖離したのは大口投資家が大量の売りを行なった結果です。その強い下げをチャンスと見なす別の大口投資家が買いをいれて価格はサポートで反発しました。それを見て下げに賭けている大口投資家が再度大量の売りをいれてマーケットはサポートを下抜けました。それを見て買いに賭けている大口投資家が再度買いをいれて価格は上昇しました。この売と買いが交差する時間経過を受けて移動平均は下がり乖離が縮小してきます。これにより大きな乖離による買いの理由は次第に薄れて行きます。
マーケットが移動平均線から大きく乖離して下落し、サポートで跳ね返った後、再度売り込まれてサポートを下に抜けてから反発してサポートに戻ったら買いをエントリーします。その後又、売り勢力に押し戻されたらサポートで反発できるか確認します。反発できれば再度買いをエントリーします。
確認ポイント5:大きなトレンドになりそうか
マーケットが大きなニュースや大口投資家の注文によって、普段よりも大きく動いた後、押し目をつけるポイントを探ります。このポイントは新たなレジスタンスになります。
マーケットが大きく一方向に動くと多くの逆張りトレーダーは手仕舞いをします。逆張りトレーダーの手仕舞はトレンドに沿った投資をする順張りトレーダーへの加勢となりトレンドの勢いは更に加速されます。よってレジスタンスと思われた価格は容易に突破されて更に上昇していきます。